無垢の家で気になる節。節を生かしながらコストダウンできる木の家の造り方について。
木の持ち味を存分に堪能できる無垢の家ですが、木の節模様が気になるという方も少なくないようです。「無垢材には節があるもの」といわれますが、そもそも木の節とはなんなのでしょうか。また、節のある素材を使いながら木の家を作るにはどのような工夫をすればよいでしょうか。
「節」とは
節とは木材についた模様で、茶色や黒の丸い形のものや目のような形のものがあります。
節があると品質に問題があるように感じるかもしれませんが、節は木が成長するときに幹の中に取り込んだ「枝」の痕ですので、木に節があるのは自然なことであり、品質とは直接関係ありません。
節には大きく分けて「生節(いきぶし)」と「死節(しにぶし)」があります。
「生節」とは枝の組織が生きたまま幹の中に取り込まれてできる節のことで、節の部分と周囲の組織がしっかりくっついているため強度なども問題ありません。
一方、枯れた枝が取り込まれることでできる「死節」は組織が繋がっていないため節が抜けることがあり、強度が弱くなる可能性があります。
基本的に、生節であれば建築素材としては問題なく利用できます。節は、「木らしい」ということから海外では好まれることが多いですが、日本ではあまり好まれず、節がない「無節」の素材の方が人気があります。
節のない素材は高い
枝の痕である節は「自然の木であればあって当然」のものであるため、節のない木というものは存在しません。
しかし、小まめに枝をカットしながら育てたり、丸太から切り出す方法を工夫することで節を見えなくすることは可能です。これが節のない「無節」の木材です。
ただし、いずれの場合も手間や時間がかかるため、節がある素材よりも高価になってしまいます。
節がある木でコストダウン
節がある木は、品質や強度などは節が無い木と大きな違いはないものの、作るのに手間や時間がかからないため価格は安くなります。
そのため、節がある木をうまく使うことでコストダウンを図ることが可能です。
木の家を作る際、壁の内側などの見えない部分には節がある木を使い、見える部分には節がない木を使うのが一般的ですが、節があっても全く気にならないという場合は、全て節のある木にするとコストを下げることができます。
また、節がある木でコストは下げたいけれど、できるだけ節を目立たせたくないという場合は、節が目立ちにくい樹種を選ぶのもよいでしょう。
まとめ
節のある木と節がない木は価格が大きく異なり、節がある木でも節の大きさや数によって価格が上下します。
しかし、これは品質や強度の違いによるものではなく、美観や製造コストの違いによるものなのでこだわる必要はありません。
リビングは極力使わないが、2階や廊下などは使うなど、場所を選んだりして、節のある木を上手に使ってコストダウンを図っていきましょう。