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調湿、消臭効果だけではない?ウォークインクロゼットなど、収納スペースに桐の木を使うメリット3つ。

木の家を造る時は空間の用途に合った樹種を選ぶことが重要なポイントとなりますが、ウォークインクローゼットやシューズクローゼットなどの収納スペースには「桐」が適しているといわれています。

調湿性と消臭効果が優れた桐は、古くからタンスなどに使われており、娘が生まれると庭に桐を植え、嫁ぐときに植えた桐でタンスを作って嫁入り道具として持たせる習慣があったそうです。

日本の収納を支えてきた桐ですが、実は調湿性や消臭効果以外にも収納に適した特徴を持っています。今回は、収納スペースに桐の木を使うメリットを紹介します。

防虫効果がある

桐は「タンニン」「パウロニン」「セサミン」といった成分を含んでおり、なかでもタンニンの含有量が非常に多いといわれています。

タンニンは緑茶や柿にも含まれている成分で抗菌効果があり、桐はタンニンを分泌することでシロアリをはじめとした虫から身を守っているといいわれています。

また、パウロニンやセサミンも抗菌効果があるため、収納に桐を使うとヒメカツオブシムシやダニなどを寄せ付けにくく、大切な衣類などが虫食いの被害にあうことも防いでくれます。

火に強い

木の燃えやすさ、火の付きやすさは樹種によって異なります。これは、着火点や発火点が樹種によって違うからです。

着火点というのは「火を当てたとき物質が燃え上がる温度」のことで、発火点というのは「輻射熱などで熱を加えられたときに自然発火する温度」のことですので、この温度が高いほど火が付きにくく燃えにくいということができます。

桐は着火点が270度、発火点が425度と木の中では比較的高く、他の木材よりも燃えにくいということができます。

また、桐は吸湿性に優れているため、繊維の中に多くの水分を含んでいます。火の温度は1000度以上であるため、桐であっても火に直接あたると燃えてしまいますが、水分を含んでいると温度が上昇しにくくなるため燃え上がりにくく、表面は燃えても内部は焼け残っているなど火に強いという特徴があります。

収納を桐で作ると、万が一火災が起こったときにも家財が焼け残る可能性が高くなると言えます。

腐食しにくい

桐に含まれるタンニンは抗菌作用や防虫作用だけではなく、防腐作用も持っています。そのため、桐の収納は腐りにくく、長く使い続けることができます。

まとめ

柔らかい桐は傷つきやすく水を吸いやすいというデメリットがあるため、リビングなどの居住スペースや水回りには向いていません。

しかし、人があまり出入りせず水に濡れる機会も少ない収納スペースであればデメリットは気にならず、調湿や消臭、防腐、防火、防虫効果などのメリットを存分に活かすことができます。

木の特性を知って空間の用途に合った素材を選べるとよいですね。

 

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